物語を散歩する

本を単なる情報として読んでいる人は

どれだけ短い時間で

どれだけ多くの自分にとって役立つ情報が手に入ったかで

「いい本だった」かどうかを

判断しているようですが

物語を読む上で大切な経験は

そこに書かれている情報ではなく

むしろそこには書かれていない著者の愛を

いかに感じるかにあると僕は思っている。

そう、そこには書かれていない

だけどなんとなく触れられそうだし

なんとなく感じる著者の魂の震えのようなもの。

そこを感じ取り

自らの魂を共鳴させて

時空を超えて魂友を見つけ出す。

そのためにはじっくり時間をかけて物語を読んで

その世界の中に入り込んだら

読む手を止めて、その世界の中を散歩してみるといい。

登場人物が物語を進めている傍のどこかで

それを見つめている著者の魂と出会うだろう。

そこで対話をするのだ。

深いところで触れ合えれば

物語の中に文字としては書かれなかった

著者の愛を感じることができるだろう。

情報を求めて読書をする人がたどり着くことのない場所だと思う。

でも、本に対するスタンスは

人に対するものと変わらない。

同じものを求めて人を見ているのだ。

L&Rvillage

株式会社 L&Rヴィレッジは作家喜多川泰の事務局の運営をはじめ、学びと読書を通じて人生を豊かにする場を創造する会社です。