一 番 最 後 に ゴ ー ル す る 美 学
一 番 最 後 に ゴ ー ル す る 美 学
痺れるような名場面に
「金ヶ崎の退き口」
というのがあります。
ご存知ですか?
あの織田信長の、唯一の退却戦と言われています。
越前を攻撃しているときに、背後から、まさかの浅井長政(お市を通じで親族関係を結んでいたのに...!!)が攻めてきました。まさかの挟み撃ちです。
このままでは負けてしまう、ということで退却を決定します。
退 却 戦 は 難 し い 、 と 言 わ れ ま す 。
その難しさを想像すると歴史が面白くなります。
相手は刀を持っていて日々鍛錬している。
油断すると弓矢が飛んでくる。
斬られるかもしれない。死ぬかもしれない。
参加する段階で、緊張や不安を押し殺していた武士たちも多くいたはずです。
合戦がイメージできなければ、学生時代に他校の不良グループとの決闘に流れで参加することになった。でも、内心は実は不安でしょうがない、みたいなことを想像してみるといいかもしれません。(これも昭和なイメージですが)
戦いの最中は、必死ですから気持ちは奮い立っていますが、途中、リーダーたちが退却を命じます。
わかりやすく言うと、「やばいっ!逃げろっ!」とのことです。
仲間たちが慌てて進路を変え始めました。遅れそうな自分。この瞬間に、抑えていた恐怖は一気に吹き出します。
逃げろーっ、という気持ちになります。うわぁぁー、となります。
もちろん冷静な立ち居振る舞いで、心底鍛錬されて武士もいたでしょう。でも、そうじゃない武士たちもいます。
一方、攻める方は、逆に勢いづいています。前を向いて相手を追いかける側と、背中を向けて逃げる側。逃げている側に自分がいます。
退却戦は総崩れの危機で大変です。
さて、この金ヶ崎での退却戦において、織田軍のけつもち、しんがりを務めた一人が、木下藤吉郎(豊臣秀吉)です。
最後に帰ってくるのがしんがり、けつもちです。
その役割はトップはもちろん、できるだけ多くの仲間を安全に逃すことです。
判断力・知力・胆力・運・揺れない心・執着の放棄・神様にお任せしたような心、こういうものが必要となってきます。
イ メ ー ジ で も い い 。 そ の 誇 り が 自 分 を 強 く す る こ と が あ る 。
私たちは会社を始め、様々なグループにいます。
いろんな意味で大変なときがあります。立場や状況が自分に重くのしかかってくる。そんなとき例えば、自分は退却戦のしんがりをもつ誇り高い武将だ、みたいなことをちょっとだけでも思えたら、気持ちがグッと強くなるかもしれません。
トップを盛り立て、仲間を自分の前に走らせ、自分は最後にゴールする。一番最後にゴールする美学、というのも、歴史からは感じ取れます。
matsuo
0コメント